【2024春】Villa Persani社訪問

トレントで訪れた象徴的な2つの生産者の物語。
  - イタリア訪問記 2024.4

シルバーノ氏

【2】ヴィッラ・ペルサーニ社

 日本では何より、有機テロルデゴのジュースでお馴染みの生産者。初訪問。
トレントの醸造大学で学び、今もなお品種リサーチャーとして大学に籍を置くエノロゴ(醸造家)のシルバーノ。15年ほど前、彼がチェンブラ村の道もないような山を購入し、木を伐り、斜面を掘り砕いてブドウ畑を造るところから始まったワイナリーです。

  まず斜面を切り拓くところで、この村の特徴でもある斑岩石や、氷河時代に形成されたたくさんの大理石が現れたそう。それと同時に何百年も前に作られた石垣とオルト(家庭菜園)の跡を発見。


↑ブドウ畑にはそれを象徴すべく、大きな岩をシンボルとして設置。 

 真夏には高熱で水不足になるというチェンブラの斜面。しかしながら石垣を保護することを選んだ彼らは機械を使うことができないその場所に、Piwi品種*のブドウを植えることに。
*Piwi品種とはドイツ語のPilzwiderstandsfähige Rebsortenの略称で、ブドウの病気に対して耐性を持つ「真菌耐性ブドウ品種」のこと。人があまり介入せずとも栽培できる品種。

 他、チェンブラの谷に伝統的に植えられているスキアーヴァやピノノワール、ほとんど消えかかっているノジオーラが栽培されています。

  

 醸造所は、少なくとも1500年から存在する村にある彼らの家の下。場所が足りないために地下に広げたというワインセラーのほかに、テイスティングルームも完備。そして、10年ほど前のトレントではまだ少数であったエノトゥーリズム*として、トレントの歴史や食生活、ワイン文化を訪問者に伝えてきました。
*エノトゥーリズム:ブドウ畑や一帯の自然を楽しみながら、ワイナリー見学や試飲を楽しんだり、地域の人々や文化・遺産・習慣などについて学ぶ旅の仕方。

 

 

 今回の訪問は1週前の高気温のお天気から打って変わって、再び寒波が戻るタイミングでした。すでにブドウの芽が出てきており摂氏3-4℃まで下がった気温に皆が危惧。もし0℃を下回ると芽が枯れてしまい、その年の収穫は最悪の場合ゼロ。
その後0℃を下回ることはギリギリなく、持ち応えたようです。本当に良かった。

 ここでは酵母は使わず、自然に任せた発酵でワインを造っています。彼らのスキアーヴァやノジオーラはアルコール度数11度。トレントは寒い気候なのでほとんどの醸造所では加糖し、1度ほどあげたワインが造られます。しかし、ペルサーニ社は加糖なし。
 現行のスキーアーヴァは2021年で、長く寝かすことで飲み頃となっています。味わいは透明感があり、赤果実やスミレ、ミネラル感、高い酸味と斑岩由来の鉄分からくる複雑味もあり、軽やかでエレガントな仕上がりです。

 対して、ブドウジュースに使われているテロルデゴはしっかりとしたボディ。実はボディを高めるために先に剪定したブドウで造られています。これが皆様にお楽しみいただいているジュースの秘密...!

 オーナー 一家

 去年の今頃イタリアは記録的な水不足となっていましたが、今年は記録的雨量に。ヨーロッパの気候変動を今年も肌で感じることができました。

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