アルプスの麓、チェンブラの谷。
この山間に見事な葡萄の棚畑が広がります。
ここで代々400世帯の農家が暮らし、大人から子供まで家族みんなで葡萄作りをしていました。チェンブラのワインは地元で古くから飲み続けられているトレンティーノ人のスタンダードワインです。
日本人も顔負けの集団力を誇る、チェンブラの協同組合。
ワイナリー・チェンブラは、トレントのワインの産地で最も標高が高い山岳一帯に広がるチェンブラの谷(Val di Cembra)に位置する、イタリア国内で最も古くから知られる共同組合です。
1952年に創立され、現在約400名が加盟します。トレンティーノやアルト・アディジェでは、共同組合が高品質のワインを生み出し高く評価されており、チェンブラもそうした共同組合の一つです。今までは地元の人々の間で主に親しまれてきましたが、数年前より初めて海外への販売を開始しました。
沢山の家族の笑顔
こうして代々親から子へと農業を引き継ぐことができるのは、戦後トレンティーノ人の真面目な気質をベースに構築された、チェンブラの素晴らしい共同作業の仕組みにあります。チェンブラはまさにトレンティーノ人の生活と歴史を反映するワイナリーです。
「イタリアでは通常、ブドウ栽培に必要な労働時間が年間に200時間だけど、急な傾斜に広がる段々畑のチェンブラでは800時間もの作業が必要になるんだ。」と説明してくれたのは、集合写真中央に写るパオロです。チェンブラの総ブドウ栽培責任者を務めます。「今夜もみんなでミーティングを行うよ。お互いがブドウの育ち具合を報告しあって、みんなで収穫までの計画を練るのさ。」と語ります。「チェンブラではイタリアで最も初期の頃からゾーンニングを行い、土壌や気候を分析し、それに基づいたブドウ栽培を行ってきたんだ。」こうした数々のアドバンテージが、協同組合ならでは成し得るハイ・パフォーマンスを生み出しています。
斑岩石の採掘と共に歩んできたチェンブラの谷。
チェンブラの谷は、イタリアの街の石畳に使用される、斑岩(ポルフィド)の採掘の産地としても古くから知られます。通称「Oro Rosso=黄金の赤土」と呼ばれるこの特殊な斑岩土壌が、村の収入源として、また葡萄作りに最適なテロワールとして、チェンブラに多くの恩恵をもたらしてきました。
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