ボヴェリ・ジャコモ/BOVERI GIACOMO

フィルター

      のどかな農村地帯で1800年代末より葡萄を栽培するボヴェリ一家の小さなワイナリー。

       ボヴェリ・ジャコモは17世紀末より先祖代々この地元でブドウ栽培を続けてきた小規模生産者です。
      オーナーでありワイン造りを一人で行うジャコモは真面目で穏やかな人柄で、彼と話していると代々葡萄農家としてやってきた時間と誇りが感じられます。現在は妻のサラと一緒にワイナリーを切り盛りし、小さな一人息子もすでにブドウ畑の虜です。

       ジャコモのワイナリーではバルベーラやフレイザのようなピエモンテの赤ブドウと、ここ数年で注目を集める白ブドウ、ティモラッソを3つの畑で栽培しています。近年ピエモンテで注目されているティモラッソはクルごとに分けられ、2種類の上質のティモラッソを作るほか、DOC規定に外れる1年醸造のフレッシュなテーブルワイン、プティ・ティモラッソを2016年より造り始めました。

       ジャコモとの出会いは今フランスやイタリアに広がりつつあるFIVIが行う展示会。彼らのワインにもFIVIのマークが印字されています。

      ユネスコに登録されるローマ時代に作られたこの田舎道は、毎日ジャコモが家からブドウ畑へ通う、ピエモンテののどかな一本道。

       写真は春に訪れた時に撮影した、昔から家族代々で所有するコスタ・ヴェスコヴァートの畑。すぐ脇にはピエモンテの葡萄畑景観として世界遺産に登録されている古い街道“ストラーダ・デッラ・ピアセラ”が続きます。春の日差しが心地よく、遠くには桜の木が一本佇み、人気もなく静かな山の間で伸び伸びとブドウが育っている印象を受けます。ここは風通しの良い茶色の粘土質の畑で、最近植えられた若いプティ・ティモラッソ用のティモラッソもこの畑の一角で栽培されていました。

       ワイナリーは趣ある伝統的な石造りの一軒家で、前にはワイナリーのロゴにも使われている古い井戸があります。中に入ると歴史的な醸造方法のメモや古い醸造器具が丁寧に飾られ、ジャコモが家族の歴史を大事にしている様子が伺えます。
      一方、醸造所の屋根上にはソーラーパネルが設置され、すべての電力を補うなどの工夫がなされています。

      現地ピエモンテで見て聞いたティモラッソの話。

       ティモラッソの産地はバローロやバルバレスコでイメージするピエモンテの整然としたブドウ畑の景色とは異なり、ピエモンテの東のホッとのんびりとした田舎の空気が流れる緩やかな山間に広がっています。
      すぐ隣はロンバルディア、オルトレ・ポー・パヴェーゼの産地があり、南に下るとリグーリアがあります。
       ティモラッソは昔からこのトルトーナの産地に広がる白ブドウですが、注目されるようになったのはワイナリー「ヴィニェーティ・マッサ」のオーナーのウォルター・マッサの功績によるもの。元々バルベーラをはじめとする赤ブドウの産地として知られていましたが、80年代後半に初めて土着品種であったティモラッソをクルごとに醸造し、トレ・ビッケーリを獲得すると、一気にイタリア中にピエモンテの新たな白ワインとして注目されるようになります。
      マッサは同時にこのエリアにあるトルトーナのローマ時代の呼び名に因み、ティモラッソのワインをデルトーナと名付け、商標登録を行うと、今度はコッリ・トルトネージ・ティモラッソDOCの産地の生産者にこぞって使うよう呼びかけ、親しみやすいデルトーナという愛称で広まるようになりました。

      ジャコモのティモラッソと料理のマリアージュは?

       奥さんのサラは料理も上手だそう。ティモラッソと郷土料理の食べ合わせを尋ねると、プティ・デルトーナにはパセリやホウレン草で作るラバトンと呼ばれるニョッキにこの地方のチーズ“モンテボーレ”と合わせた料理が、しっかりとしたラクリメ・デル・ブリッコのデルトーナにはウサギのカッチャトーラが合うとのことでした。ぜひお試しください!


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